写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

83  自民党比例選候補者たち

   先日の参議院比例区の選挙に出馬した自民党の候補について思ったことを書きます。

 

 業界団体の組織内候補が多い中、トップ当選したのは赤松健という人物でした。90年代後半ごろだったと思いますが、ひょんなことからラブひなという漫画を知りました。知った、といっても漫画を読んだわけではなく、年下のある知り合いの人物がこの漫画のキャラクターの絵を描いていたのです。で、赤松氏はこの漫画の作者だそうです。

 

 私は漫画を読みませんから、あの時その絵を見ていなかったら、「ラブひな」を知らないまま今日に至ったでしょう。あの時この漫画の絵を描いていた人物ももう30代後半だと思いますので、立派な有権者です。こういう層から集票してトップ当選を果たしたのでしょう。

 

 自民党は前回山田太郎氏が「マンガ・アニメ・ゲーム等の表現規制に反対」して上位当選を果たし、「オタク票」という鉱脈を掘り当てたようで、今回も山田氏の支援者だった赤松氏を引っ張り出したようです。こういうのを掘り当てるところが自民党の強さなのでしょうね。「オタク票」のほかに「ミーハー票」もあるかもしれない、「ヤンキー票」もあると思うのですが、後者2つは今回維新に多少流れたかもしれません。

 

 宗教右翼、あるいは左派のフェミニストはこういう「表現の自由」には眉を顰めるのでしょうが、堅物と軟派の両方から票をかき集めてくるのが自民党らしいところです。野党も一時の民主党は多少こういうなんでもあり、という節操のなさがありましたが、今の立憲民主党にはこういう何としてでも票を集めてこよう、という熱意というか節操のなさを感じさせる候補者たちが見られないですね。多少はないと自民党に勝てないと思いますが。

 

 あと、自民党の懐の深さであり、かつ節操のなさも感じるところがもうひとつあります。今回の選挙前後に、この点はほとんど話題になっていないのですが、自民党の下位落選者として枕を並べて討ち死にしているのが、「意識高い系」と思われる30代ぐらいの女性候補者たちなのです。立候補者の名簿に「えりアルフィア」なる女性候補がいて、何者かと思ったのですが、ウイグル系の人で、日本生まれですが国連職員をやっていたそうです。

 

 ほかにも数人、30代の女性候補を出していますが、組織がついていなかったのか、今井絵理子氏など知名度か組織のどちらかがある候補を除いて皆落選しています。これらの候補のホームページを覗いてみたのですが、彼女たちは保守系に特徴的な主張をあまり表に出していませんでした。

 

 数合わせで女性候補を出しまくったのか、リベラルにウィングを広げようとした自民党の懐の深さ具合なのか、それとも別の理由か、とにかくどういう了見でこの手の候補を多数出したうえで落選させているのか、これまた不思議に思いました。