参政党やNHK党が進出している現象をどうとらえるべきなのか、私なりに考察を続けてみます。
新しいメディアが出てきて、その特性を利用した政治的現象はいつの時代もみられたものでしょう。大正時代には大隈重信の演説のレコードがよく聴かれた、ということをどこかで読んだことがありますし、50年ほど前のニューメディアはテレビでした。
考えてみれば50年前、青島幸男氏や横山ノック氏が出てきた時代はテレビがニューメディアで、青島氏などは2回目の選挙からは開き直って選挙運動をしませんでした。テレビの知名度を利用したゲリラ作戦でもあり、金権選挙批判でもありました。
テレビの政見放送は青島氏の提案だったそうですが、近頃ときどき見られるおふざけ政見放送は青島氏の「負の遺産」なのかもしれません。
それから時代がひとめぐりして前回参院選あたりから、いよいよネット選挙の時代に入ったということになるのだと思います。ただかつての青島氏やノック氏は政治家としてはそれなりにまじめに活動していました。20年以上の実績が評価されて、90年代に知事に当選できたのでしょう。
参政党やNHK党は新しい時代の青島・ノック現象なのでしょうが、特に50年前のタレント議員たちより不支持者の疑念は強いでしょうし、特にNHK党はおふざけが過ぎる政治というものをおちょくっているように思います。
私も、年末の紅白歌合戦以来テレビを全く見ていません。ですが紅白だけは見続けているので、今のところNHKの受信料は払っています。紅白一番組のために2万円以上払っているのか、と考えてみればアホらしくもあり、経済的にもっと苦しい状態であるならば、NHK党の主張に共感したかもしれません。
テレビを見なくなった私はネット漬け、youtube漬けですが、それでも「ガーシー」氏の存在は知りませんでした。ネットの場合、一部の人にはかなり知名度があっても、知らない人は全然知らない、という現象が起こりがちです。それゆえ、ネット有名人の当選は余計不気味・不思議に映るのかもしれませんね。