私は北海道民ですから、先日行われた、東京都知事選挙には部外者でした。ですから、アメリカや韓国の大統領選挙を眺める目でしかみられないのですが、それでも関心はあります。
今回明らかになったのは、誰が当選するか、という問題とは別に、多数の泡沫候補が出て、選挙がカオス状態になった、ということでしょうか。誰が当選してどんな都政を行うか、ということについては、北海道民の私にとって影響がゼロではないにしろ、直接は関係のないことです。ですが、選挙のあり方は考えさせられるところがあります。
以前から都知事選や参議院選には、妙な泡沫候補者がよく出ていたので、それ自体は仕方のないことですし、民主主義のコストでしょう。私も面白がっていましたし、NHK党や立花孝志氏が擁立した候補者以外は今でも面白がっているのが本音です。ですが、さすがに投票したことはありません。
ですが、NHK党が度を超えた選挙戦を行い、そして参院選で2回続けて当選者を出してしまったことで、もはや「泡沫」と笑っていられない状況になってしまいました。
今回の選挙のカオス状態について、供託金を引き上げるべき、とか、候補者にテストを課すべき、あるいは推薦人の署名を課すべき、という声がありました。ですが現状のNHK党に関しては、この3つともクリアしてしまうのではないでしょうか。NHK党系の候補者には、医師や弁護士もいて、こういう人たちはテストも簡単にクリアしてしまうでしょう。この人たちはどういう了見で出馬しているのか、理解出来ません。
私はもはや年末年始と災害事故報道以外はテレビを見ていませんから、NHKの受信料制度自体には、改革を要するところはあると思います。今は現役で働いていますから、見なくてもNHKの受信料は支払っていますが、退職して収入がなくなると、NHKの受信料支払い負担はもっと切実になるでしょう。
ですから本気でNHK改革を求めてNHK党に投票した人は初回はいたのかもしれませんが、前回の参議院選挙でガーシー氏を当選させてしまったことは日本の民主主義にとって痛恨事ではなかったかと思うのです。
従来の政治倫理と言えば、「金」の問題でしたが、これに加えて「おふざけ」にどう対処するか、という問題が出てきたわけです。
都知事選への言及というよりNHK党批判の文章になってしまいましたが、都民ではありませんから仕方ありません。
このところ地方の議員選レベルではおかしな候補が当選して問題を起こす例が見られるようになりました。私も以前に、前回の都知事選で立候補した「スーパークレージー君」を面白がって取り上げたことがありました。その後、氏は市会議員に当選して、しかも性的暴行事件で逮捕されてしまいましたね。
本来、おかしな候補者は面白がっても投票しない、という形で淘汰するのが望ましいし、それが本来の選挙のあり方なのでしょうが、それが一部機能しなくなりつつあります。
これまでと違った「政治倫理」をどう確立するか、が問われそうです。