写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

46  ローカル交通機関とバリアフリー

    ネットで見たのですが、どうも最近の鉄道車両にしろバスにしろ、バリアフリー法」の影響で、身障者に配慮した車内づくりをしなければならず、その結果、座席数が少なくなったり、車内のレイアウトが不自然になったりしているそうです。

 

 都市部の通勤車両ではこの問題もカバーしやすいのですが、ローカル線用車両ではこの規格に無理があって、H100形のような車両になってしまうそうです。車椅子スペースはあってもいいし、特に気になりませんが、やはりあの馬鹿でかいトイレは気になります。

 

 身障者の利用という観点もごもっともなのですが、それよりは現実には高齢者の利用が多いはずで、座席が減っては高齢者の乗客が立席になる可能性が高いわけです。

 

 身障者のため、という大義名分があるのでしょうが、そもそも沿線の駅がほとんどバリアフリー化されていません倶知安駅のホーム移設で階段を利用しなくてもホームにたどり着けるようになったかな、という程度です。

 

 そうした施設の問題や、その他の交通弱者の存在を考慮すると、車両だけ「バリアフリー」にしても、何ともチグハグだな、と思います。頻繁に車椅子の人が乗ってきて、トイレも利用するならやむを得ない、と思うでしょうが、札幌近郊のJR線や地下鉄と違って、現実には山線で車椅子の人を見たことがありません。

 

 山線はあと数年で廃止になるので駅施設の改善はされないでしょうし、H100形がその後転属するような路線でも、エレベーターの設置などがされると思えません。そもそも廃止になったら、車椅子の人がバスに乗るのは困難でしょう。

 

 バスにも通勤で毎日乗ってますが、来るとうれしいのはステップを二段上るタイプの高床式のバスです。このタイプだと座席数が多く、乗り心地もよいのです。ですが低床タイプのバスは、前輪部には椅子を設置できず、後輪部には座席がありますがは足がつかえます。

 

 高床タイプのバスはめったに来ないので、毎日低床式のバスで我慢しています。でも高齢者にとっては椅子の多さとステップの段数の少なさと、どちらがいいのか、私はまだ高齢者とはいえない年齢ですので、判断しかねるところです。

 

 この「バリアフリー法」の影響で、地方の長距離路線バスでは従来観光バス型を使用しているケースが多かったのに、低床式の一般型バスを使用せざるを得なくなっているということだそうです。座席の数や座り心地までを考えると、本当に交通弱者対策になってるのかなあ、と疑問を感じますし、一般客が感じる乗り心地の悪さが、さらなる鉄道離れ、バス離れを招いているように思います。鉄道やバスが廃止になれば、身障者だけでなく、交通弱者一般が困ります。

 

 都市部では問題ない設備でも、田舎の1両編成を前提とした車両にあの設備は無理がありました。今後新造車両ができるのかわかりませんし、「身障者の利用」という大義名分はごもっともで反論しにくいのですが、それでも、もう少し現実の利用を考えて車両を製造してもらいたいと思ってしまいます。