私も安倍氏銃撃事件の頃は統一教会のことを批判的にあれこれ書きましたし、今でもこの宗教団体そのものには何らのシンパシーを感じていません。
ですがいわば「テロ」が発端となっておこった統一教会批判、それがエスカレートしてちょっとでも関わりのあった政治家が批判され、「解散請求」まで話がエスカレートしている現状に対しては、これでいいのか、という思いを持っています。
統一教会に関しては、一時無理な資金集めをやって信者の家庭を破滅に追い込んだケースがあること、宗教団体であることを隠すという汚い手口で勧誘活動を行ったこと、政治に介入して影響力を発揮しようとしたこと、などが問題点としてあげられることでしょう。
ですが第一の点については、安倍氏銃撃犯の家庭が崩壊した背景には20年以上前のアジア通貨危機にあたって教団が無理な資金集めをした影響であると思われ、現在どの程度こうした無理な資金集めが行われているのか判然としません。もし行っているとしても、やめて正常化すればいいだけです。
勧誘手口についても、これは汚いな、と思いますが、そういう勧誘方法をやめさせればいいだけのことです。
政治に関しては、統一教会の政治的影響力はいわれているほど大きくないのではないか、と思います。類似の主張をしている日本会議系の宗教団体や創価学会の影響の方が大きいはずです。また、統一教会の「反共(勝共)」の部分が自民党に影響を与えたことがあっても、「反日」の部分が影響力を持ったことは、実際のところ、ほとんどないようにも思うのです。現在の統一教会と政治との関わりの問題は、野党がここぞとばかりに自民党への攻撃材料にしている感が強いと思っています。
結論を言えば、統一教会への解散をめざすのは行き過ぎだと思います。私のような者からすれば、大概の宗教団体はうさんくさく、特に新興宗教団体には気味の悪さを感じますし、信者の気持ちもわかりませんが、さりとて解散させるまでのレベルか、というと、そこまでではないように思います。オウム真理教レベルのテロ事件を起こしたのならともかく、ちょっと世論、というか、マスコミなのかもしれませんが、エキサイトしすぎであるようにも思います。
統一教会を攻撃して、解散に追い込むのは行き過ぎ、他の新興宗教レベルまで正常化させるぐらいが落とし所だと思うのですが、どう思いますか?