写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

44  「オオズワイガニ」を食べてみました

    このところ、日高方面で「オオズワイガニ」が大量発生して、漁の網を食いちぎるので迷惑な存在になっているのだ、というニュースを見ました。名前と裏腹に今取れているのは小型の蟹で、他の漁をしているのに、取れるのはオオズワイガニばかりなので地元では厄介者扱い。投げ売り状態らしいです。

 

 そういうニュースに接していた折、近所の小型スーパー、ここは時々妙なものを仕入れて激安で売ることがあるのですが、やはり、というか、この「オオズワイガニ」を仕入れて1パイなんと148円で売っていました。生きたまま売っていて、びっくりしました。

 

 私はカニ好きで、子供の頃、金沢の祖母の家で食べたり、大きくなってからも金沢に行くと、普段は行かない居酒屋でメスの「香箱(甲箱)がに」を好んで食べていましたが、北海道に来たからといって、カニを食べるなんていうことはありませんでした。毛ガニは食べにくいし、北海道ではなぜかメス蟹を売らないのですね。ということで、宴会で毛ガニを食べたことはありますが、自分でカニを買って食べた覚えがありません。

 

 ですが好奇心とブログのネタにしてやろう、という魂胆で、1パイだけ買ってみました。メス蟹と表示されているのも決め手でした。金沢でメスの香箱がにを買うとオスのズワイガニよりは安いものの、1000円以上するはずです。私は卵の入ったメス蟹の方が好きなのです。

 

 生きているので小さいとは言えはさみに挟まれては困るので、慎重にトングで袋に入れます。そしてレジで精算。家に帰りましたが、なにしろ生きているので、冷蔵庫で保管するのもどうかと思われ、すぐ調理することにしました。

 

 ネットで検索すると、濃いめの塩水で甲羅を下にして水の状態から20分ゆでる、という調理法が出てきました。素人が生のかにをゆでて食べても大丈夫なのだろうか、という疑念を抱きつつ、ゆでることにしました。

 

 生きている蟹を「釜ゆで(鍋ですが)」にする、というのは罪なことのようにも思えますが、仕方ありません。蟹はそんなに暴れるでもなく、おとなしくゆでられていきます。

 

 20分ほどしてお湯を捨て、しばらく冷ましてから食べることにしました。カニを食べる時に独特の「カニフォーク」とでもよぶのか、専用の道具がありますが、そんなもの家にはありませんから、包丁で殻を割って箸で食べます。そして酢醤油につけて食べることにしました。

 

 なにしろ「オオズワイガニ」とは名ばかりで、やむを得ず漁獲した小型の蟹ですから、蟹の足のうち身が食べられるのは左右各2本程度でした。

 

 ところがメス蟹なので、腹側にはオレンジ色の「外子」が小さいながらもついています。これは嬉しい。内子もほんのわずかながらありましたし、カニミソもわずかでしたがありました。それに足の付け根にも多少身があり、チューチュー吸って食べます。これがまたおいしいのです。

 

 まあ、期待もしていませんでしたし、自分でゆでられるかな、持て余すんじゃないかな、と思ったものの、激安に釣られてお試しで買ったわけです。自分でちゃんとゆでられますし、期待しなかったせいか、満足感がありました。意外といける、という印象が強かったせいでしょうが。

 

 突発的な現象なので、いつまで漁獲があるかわかりませんし、あまり売れている様子はありませんでしたので、この小型スーパーがまた仕入れるかどうかもわかりません。大体北陸ではメスの香箱がにの漁期は冬のはずですが、捨てるよりはマシ、という程度で夏に出荷したものでしょう。

 

 ですがこれはお得感がありましたので、また売っているのを見かけたら、今度は2~3バイ買ってみようかな、と思いました。

 

    そして数日後、また小型スーパーに出かけたのですが、やはりというか、おいてありませんでした。あまり売れている様子がなかったので仕入れをやめたのですかね?残念でした。やはりあるときに買わないとダメですね。