写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

48  北陸の定番お菓子「ビーバー」を買う

    先日、札幌に行った折、駅ビルのステラプレイスに「日本百貨店」なるポップアップストアがあり、日本各地の変わったものを売っていました。その中に「ビーバー」という揚げあられがありました。

 

 これ、金沢にいた子供の頃によく食べていたお菓子です。夕方のテレビで「強いぞビーバー」とかいったアニメのCMが流れたいたのをうっすらと覚えています。

 

 小さな子供のことですから、普段使いの菓子としてよく食べていただけだったのですが、これ、石川県のローカルメーカーの製品だったのですね。ですから岡山や山口、あるいは北海道にはありませんでした。ビーバーの歯の形に似ているからこの名前になったそうです。

 

 実は25年ほど前、金沢の祖母が死んだ時だか、一周忌の時だったかに、帰りに「東京ストアー」という近くにあった地場スーパー(これも潰れてしまったそうです)に寄ったのですが、もう金沢へ行くこともめったにないか、この菓子を食べることももうないか、と思い、この「ビーバー」をまとめ買いして北海道に持って帰ったことを覚えています。

 

 そのとき、製造元が「福屋製菓」となっていたのであれっ、って思ったのです。子供の頃は「福富屋製菓」だったはずなのに、といぶかしく思いました。当時はネット普及前で、会社名でも変えたのか、あるいは会社名を間違えて覚えていたか、と思いましたが、調べようもなく、味は変わっていなかったようなので、そのまま食べていました。ただ、買いすぎたのに大事にとっておいてしまい、一部が賞味期限を過ぎてしまったのも覚えています。

 

 その後ネット時代になり、数年前(2013年だそうです)に「ビーバー」の福屋製菓が倒産、というニュースが出てきました。そのときはもう食べられないのか、と思い、かなり残念に思ったのですが、惜しむ声が多かったのか、翌2014年に同じ石川県の北陸製菓という会社にレシピが引き継がれて、製品としては生き残った、ということでした。

 

 類似の製品にいわゆる「ピーセン」があり、こちらは割合どこでも手に入るように思います。イメージのわかない方には「ピーセン」のピーナッツの代わりに昆布が入っているもの、と想像してもらえればいいのですが、私はピーナッツ味よりも、この「ビーバー」の塩味+こんぶ味の方が自然というか、「当たり前」感があるというか、子供の頃から慣れ親しんだ味なので「ピーセン」を食べることがあると「ビーバー」の方がいいなあ、と思っていました。

 

 今回購入したのは、定番の「ビーバー」と「カレービーバー」でした。北陸製菓製造になってから、いろいろな味の「ビーバー」ができたようですが、今回はこの2種しか置いてありませんでした。私にとっては「カレービーバー」は初体験、定番の「ビーバー」は約25年ぶり(正確には27~8年ぶりか)となります。

 

 「カレービーバー」から食べたのですが、こちらは確かにカレー味です。おいしい、とは思いましたが、それ以上の感慨はありません。

 

 ですが、定番の「ビーバー」(塩味)は懐かしいです。思っていたよりもソフトな歯触りで、「ピーセン」よりもふっくらしています。自分が思っていたイメージより、ふっくらソフトになったのは、もしかしたら改良が加えられた可能性もあります。そうでないのかもしれませんが。

 

 懐かしいだけでなくて、思っていた以上に好ましい味で、口に合う、というか、こういうものを食べた場合、思い出補正が入りがちですが、そうではなくて、定番品として近所のスーパーにあれば時々買うのになあ、と思いました。

 

 ただ、一袋260円と割高でした。地元のスーパーではもう少し安く売っているのかもしれませんが、ちょっと高いな、と感じたのも事実です。もう少し安くて手軽に買えたらいいなあ、と思うのですが、この年になってこんなものをやたら食べていたら太ってしまいますよね。通販で買うほどでもないし、たまに食べるからいいのだ、ということにしましょう。