写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

71  立憲民主党側から見た石破政権

 今回、石破氏の自民党総裁選勝利に関して目立ったのは、非自民支持者層から「よかった」「ホッとした」という声が聞かれたことです。高市早苗氏や小泉進次郎氏が総理大臣では日本がどうなるかわからない、という不安の裏返しでしょう。

 

 野党支持者の目から見ると、石破氏は「総理大臣としてはいちばんマシ」というところでしょうが、石破氏より先に立憲民主党の代表に就任した野田佳彦元首相とキャラがかぶるところがあります。

 

 おそらく立憲としては、小泉進次郎氏の首相就任の可能性が高いと踏んで、重厚な印象のある野田氏を立て、小泉氏の軽さをたたいて惨敗に追い込む、という選挙戦略がベストシナリオ、次善の策としては高市早苗氏の右派強硬論的政策や高市氏の背後にある旧来からの自民党の体質をたたいて穏健保守層を取り込む、という戦略を思い描き、野田氏を選出したのではないか、と思います。

 

 ですが、自民党の方もしたたかで、野田氏が立憲の代表になったことを受けてその対抗馬として石破氏が適当、という線になったのかもしれません。立憲側もキャラのかぶる石破氏相手では戦いにくくなったでしょう。

 

 そもそも、次の選挙でもし自民党が惨敗した場合、今の立憲民主党過半数をとる力はありませんから、「第二次野田政権」は維新から共産まで、協力先を模索せざるを得ず、どちらをとるにしても一部の立憲支持層には強いアレルギーがあり、極めて不安定な政権となるのが確実です。

 

 共産党閣僚が出現することは極めて考えにくいですし、閣外協力でも振り回される結果に陥るでしょう。一方、立憲を強く批判していた維新が連立与党として立憲首班の内閣に入閣することにも立憲支持層にはかなりの抵抗感があるでしょうし、これまた維新に振り回される結果を招く可能性が高いと思われます。

 

 それならば次善の策として自民党の中で比較的穏健に見える石破氏のもとでの自民党政権が続いた方がマシ、という風に考える向きが多かったのかもしれません。

 

 ということは、リベラル系野党支持者から見て、石破氏は「自民党総裁としては戦いにくいけど、総理大臣としてはいちばんマシ」、小泉氏と高市氏は「自民党総裁としては戦いやすいけど、総理大臣としてはイヤ」ということになると思います。

 

 さて、衆議院解散総選挙をするそうで、今後の政局の成り行きは予断を許しませんが、内閣支持率政党支持率、さらには選挙結果にどう影響を与えるか、注目はしておこうと思います。