写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

05 2日目朝 旅館の銭湯と東海線ムグンファ号(2019年4月28日)

 4月28日(日)2日目、朝というか、早朝に起きます。4時くらい。いつも寝起きが悪いのに、海外旅行では起きます。前夜風呂に入っていないので風呂に入ろうと思います。ところがお湯が出ません。ずっと生ぬるい水です。これでは風邪を引きます。ということであきらめ、幸い下が銭湯なので、それでは銭湯に行くか、と思います。銭湯に行くこと前提の宿なのかもしれません。ただ、昨日の宿のおばさんのいうことがわからなかったのですが、どうも部屋のタオルを下の銭湯に持って行くな、というような感じでした。風呂付き個室で最安の宿を選んだのに、結局入れないとはおやおやですが、カミソリもないし、タオルとともにコンビニで買おうと思います。

 

 とは言っても近くにないので、モノレールの線に沿って少し歩きます。まあ払暁の散歩です。CUというコンビニ。これは昔ファミリーマートだったのに韓国独自の名前に変えてしまったコンビニです。日本のもので目についたのは足の休息シートくらいでした。ここも台湾とはずいぶん違います。台湾は今でもファミリーマート(全家)でしたが。とにかくタオル・カミソリ・電池(目覚まし時計を持ってきたのに電池を忘れました)コーヒー牛乳を買います。

 

 会計のとき、おや、と思います。数字がしっかり聞き取れなかったのですが、思ったより高いです。横に回って金額表示を見ると、16500ウォンです。こんな高いはずがありません。間違いかな、と思いつつ20000ウォン出すと、3500ウォンおつりです。腑に落ちません。深夜料金なのか、前の客の表示をそのまま見たのか、ボッタクリなのか、韓国いまいちだなあ、と思って戻ります。それぞれ3000ウォン程度のものを買ったつもりだったのに、おかしいなあ、と考え込みます。

 銭湯は朝6時から夕方5時くらいまで、という営業時間。夜やらないのが不思議。まあ早起きしたので6時になるのを待って男湯に行きます。古い建物ですから、古くさい銭湯で、散髪の椅子やウオーキングマシンもあります。入ると、おじさんに鍵を見せるよう言われます。鍵があるとタダになるようです。何のことはない、タオルは着替え場所に積んでありました。その説明もあったのかもしれませんが。

 

 入るとおじさん2人ぐらいが先客。サウナがあるのでまず入りますが、ぬるい。温度が40度ぐらいしかないです。仕方ないので浴槽につかります。冷水槽もあり、滝のペンキ絵が描いてありますが、これでは入る気になりません。石鹸がおいてあるだけでシャンプーがなく、体だけ洗って早々に出ます。部屋に戻り、こちらの風呂にはシャンプーがあるので、もう一度お湯が出ないか試します。すると大分たってから出てきました。で、入ります。洗髪をしますが、お湯は出るようになったものの本当にチョロチョロで、ようやく頭が洗える程度、浴槽にお湯がたまりません。ということでこれも粘りましたが、いつまでもたまらないので出ました。韓国なんだかなあ、ということばかりです。いままで前日のカルビタンぐらいしかいいことがありません。

 

   とりあえず着替えて、歯を磨き、ひげを剃ろうとしてカミソリを見たら、裏に9900ウォンと書いていあります。3000ウォンぐらいのを買ったつもりで、おかしいなあ、と思っていたのですが、値段の高い高級品を買ってしまったようです。私がよくやらかす早とちりでした。これなら全部で16500ウォンになるはずです。ようやく納得。開けると5枚刃のもので、非常によく切れました。2回も風呂に入ったので時間をロス。

 

    7時半頃に、コンドルバウィ駅からモノレールに乗ります。また先頭席は埋まっていました。結局4回乗ったのに一度も先頭に座れず。起点から乗らないとダメかな、という感じでした。明徳駅から地下鉄1号線大邱へ。時間が読めず、ちょっと焦っていましたが、8時ちょっと過ぎぐらいに無事到着。

 

 今日はまず釜山に行きます。大邱で何をしたらいいかわからなかったし、4年前は鉄道に乗らなかったので、今回は大邱を拠点に、釜山とソウルを往復することにしました。その分、大邱見物の時間がとれないかな、と思ったのですが、空港から早く出られたので、思ったより町の様子が見られたのは前回書いたとおりです。8:31発ムグンファ(無窮花)号1771列車。急行ですね。台湾の莒光(きょこう)号と同じ位置づけです。韓国の鉄道は信用乗車方式で改札がありません。日本でインターネット予約をしたのですが、これを印刷したEチケットでそのまま乗れるのかがわかりません。台湾は改札があるので切符と交換する必要がありました。               

 

 一回ホームの様子を見たあと、確認のためインフォメーションのおじさんにEチケットを見せて「何番線ですか」と聞くと、「釜田?2(two)」といい、「(これで)そのまま乗れますか?」と聞くと「(これが)チケット!」と言ってこのままでよい、という仕草をします。ということでそのまま乗れることがわかりました。今回はなるべく聞いてみよう、という精神です。コンビニによって韓国名物バナナ牛乳と辛いプルコギ(焼き肉)の三角キンパプ(おにぎり)を買います。2300ウォン。

 列車はオンボロのディーゼル動車でした。韓国のプラットフォームは低いので列車に階段式のデッキがあります。昔よりホームがかさ上げされたような気はするのですが。台湾の鉄道が何かと日本式なのに、韓国は大陸式です。前回台湾新幹線がつまらなかったので、韓国も在来線を一つ入れました。幹線である京釜線は昔乗ったので、今回は遠回り、慶州経由の東海線に乗ります。その代わり釜山(というか、この線の終着駅は手前の釜田駅)まで3時間かかります。KTX(韓国新幹線)なら1時間かからないはずです。

 

 車両内部は、台湾と同じでデッキ付きロマンスシート。日本で何でこういう種別がないのかと思います。ということでオンボロ列車に乗って窓側の席を指定したのですが、車窓はたいしたことがありません。まあ、もともと韓国の車窓は台湾ほど面白いものがないです。

 

 ですが乗ってわかったのは、この線、相当改良工事をやっています。高架線・真新しいトンネル・完成したところから付け替えているようで、車窓からあちこちでトンネルを掘っていたり、高架を造っていたりする様子が見えました。韓国は在来線もKTXも標準軌なので、KTXが高速乗り入れできるようにしているのかな、と思いました。

 

 昔の新羅の都があった慶州付近は在来のままで、古墳公園のようなものが見えて、それなりの風情がありましたが、奈良の郊外がそうであるように、ビルや一般住宅もあります。他のところより昔ながらの家があるなあ、という程度。まだ田植えはしていないようでした。ビニールハウスの畑も目立ちます。

 途中で横の女性が降りて、じいさんが座ります。じいさんが話しかけてきます。日本人か?というので、北海道から来た、とか言う話をしますが、わかりづらいです。ときどき「わかりません」といいます。中国、チャイナというのですが、どういう脈絡で中国の話が出てくるのかわかりません。日本にいったことがあるかと聞いたら、40年前に行ったというのですが、「ハキタ」に行ったと言います。博多か、と思ったら12時間かかった、といいます。親戚がいたらしく、「ハキタ」はどうやら「秋田」のようでした。

 

 それでも「韓国語がうまい」と言ってくれます。「僑胞(在日)か?」と聞かれますが、「いいえ」といいます。まあ、「うまい」といわれているうちはダメだ、といいますね。間違いを指摘されるようになると中級だ、と聞いたことがあります。ですからさすがに長話は出来ませんでした。じいさんは途中で別の客に「ここは自分の席」と指摘されて立ち上がり、別の席にいってしまいました。そのあとまた指摘されて立席になりました。韓国も台湾と同じ北海道新幹線式ですね。日曜午前中ですから混んでいます。ただ、台湾が「無座」というのに韓国は「立席」と言います。

 

 釜山郊外に入ると、長いトンネル(あるいは地下)区間になります。2016年までは海の見える単線区間だったのに、内陸部に移設したそうです。跡地は遊歩道になったらしいのですが、車窓の景色は断然つまらなくなりますから、残念でした。日本の新幹線もそうですが、もう少し車窓に配慮して線路を敷いたらいいのに、と思います。都市電鉄的な路線になって、11:36釜田着。11600ウォンですから、1100円ぐらいですね。