写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

06 2日目ハバロフスク夕方 郷土誌博物館と極東美術館(2019年8月4日)

 さて15時になりました。もうホテルに預けたパスポートを返してくれるかな、と思います。それで下に降ります。案の定、返してくれました。

 

    外に出ます。まずは、木立の中の道をすぐ近くの郷土誌博物館へ。ここも27年前に朝の時間つぶしで行きました。当時は古びてこぢんまりした博物館で、珍客だったらしく、おばさんの係員が英語でつきっきりで説明してくれましたが、さっぱりわからなかったという思い出があります。今度はそういうことはありませんでした。

 

    当時からあったのか新しく増設したのか、新館が出来ています。旧館は赤煉瓦の趣のある建物ですが、新館もそれにあわせて赤煉瓦風です。多分タイルでしょうが。明日はまる一日ハバロフスクですが、博物館と美術館は月曜休館であることを知り、日曜のうちに行っておこうということにしました。入場料400ルーブル。新館一階は自然展示。マンモスの剥製(?)と牙とかがあります。あとは水槽の中に地元の魚を泳がせています。魚好きなのでこういうのは楽しいです。

 

    その上が特別展示なのか、ソビエト時代のプロパガンダ用に造られたタペストリの展示でした。スターリンフルシチョフの肖像のタペストリーがあります。ここだけ英語となぜか韓国語の説明があります。韓国人客が結構いましたから、そうしているのでしょう。ここの説明文は英語の方がわかりやすかったです。

 

   そのあと、歴史展示。ここはロシア語だけでしたからさっぱりわかりません。ただ、日本がらみの文物もいくつかあり、東条英機と溥儀と蒋介石の写真があったり、出征兵士のために日の丸に寄せ書きしたのがあったりしました。どういう経緯でこの博物館にまでたどり着いたのだろう、と思います。戦死者のものか、抑留者のものか。あと、北海道の親ソ団体から送られた冊子も展示されていました。これまた複雑な感慨を持ちます。 生活の復元展示みたいな部屋があり、ここは靴に青いビニール袋をかぶせて下さい、ということでした。所々で係員が扉を開けるか開けるよう指示します。

 

    旧館の方に行くと、こちらは剥製も古くさいです。虎とかアザラシ、びっくりするくらい大きな鹿、鳥の剥製もありました。これはきっと27年前にも見たと思います。ここには韓国人団体客がいました。上に上がると少数民族がらみの展示。ですがロシア語の説明だけですのでさっぱりわかりません。その上は、昔、一面に抗日戦争かなんかの絵が描いてある部屋でしたが、今度来てみるとそれはなくなり、代わりに青い壁面になっており、ロシア正教がらみの展示でした。下に降りて27年前は入口だった重厚な扉から外に出ます。

 隣が極東美術館になっています。ここもロシア風の白壁に青緑の屋根の古い建物。ついでに入ります。こちらは日中英韓で入口に観覧してくださいという主旨の案内文があります。250ルーブル。また50ルーブルはないのか、という感じです。また靴に青いビニールをかぶせます。まず行けと指示されたのがミュージアムショップ。奥に観賞魚を売っているところがあり、そこを覗こうとしたら、もういいから、展示はあっち、という感じで指示されます。

 

   2階3階といちいち扉を開けてもらって入ります。絵の素養がありませんから、見ても何派なのか、ロシアの作品なのかその他の国の作品なのか、なんだかわかりません。絵の下に題名と作者が書いているのでしょうが、キリル文字ですし、作者名ぐらいわかるだろうと目を凝らしても字が小さくて読めません。悲しいです。ただ、エルミタージュ美術館からやってきているものはその旨表示があるようでした。

 

    割り切って絵そのものだけを見て好きか嫌いか判断するだけにしました。昔のどこかの町並みを描いた絵が一番気に入りました。やはり私は人物や自然より町ですね。あと、ロシア正教のイコンもありました。このイコン、遠くから見ると平面的でヘタウマみたいですが、よく見るとそれなりに丁寧に描かれています。でも他の絵と比べると感心しません。こういうのを東方正教では有り難がるのですね。