写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

07 したくないのに、ただ乗りしてしまう(2000年1月6日)

 さて、9:53分高知発のディーゼルカーに乗って窪川というところまで行きます。駅弁を食べるのも普通列車では気恥ずかしいですが、待合室で食べるよりはマシなので、食べてしまいます。意外と海が見える区間は少ないのですが、途中須崎というところは、山奥を走っているのかと思ったらいきなり山の中に港が現れて、変なところでした。 

 

 窪川に11:56に着いて、予土線に乗り換えるのですが、ここで問題なのは窪川~若井間はJRではなく、土佐くろしお鉄道なのです。この区間は四国フリーきっぷでは乗れるのですが、私の持っている青春18きっぷでは乗れません。窪川駅で聞いたら、「最初に降りる駅で200円払って下さい」という答え。最初に降りる駅といっても、このままずっと乗り通すつもりなので困ります。くろしお鉄道の切符の販売機もないし(列車が動き出したときくろしお鉄道の駅舎が別にあることに気づいた)、どうしようかな、と思いつつ13:02の列車に乗車。

 

 何とまたロングシート車です。予土線は観光路線で、しかも普通列車しか設定がないのに、これでは困ります。実際、途中で客が4~5人になりましたが、みんな観光客のようでした。

 

 若井駅は無人で、しかも分岐点は駅からかなり離れた地点でした。なぜこの一駅分を移管したのか理解に苦しみます。何度も鉄橋を渡り、トンネルをくぐって県境を越え、15:07宇和島着。

 

 ワンマン列車で料金を現金で支払う方式ですが、終点では「改札口で払って下さい」というアナウンス。ですが私はそのまま八幡浜行きに乗り換えるので、改札口を出ずじまいです。待ち時間が30分とか1時間あるのなら、一度改札を出て、そのときにくろしお鉄道分の200円を払えばいいのですが、待ち時間が9分しかありません。宇和島駅は小さいので改札まで行って200円払って戻ってくればいいのかも知れませんが、何だか面倒です。

 

 窪川駅での言い方だと、改札を出る八幡浜で払えばいいというふうにも取れますので、そうしようか、と思ってそのまま15:16発の列車に乗ってしまいました。これまたロング車だった気がします。

 

 愛媛県にはいると快晴で、豊後水道が遠くに望め、みかん畑に囲まれて、まるで地中海の沿岸のような景色の区間がありました。しかし宇和島から数駅でガラガラになってしまいました。私の他には2~3人しかいません。車中でくろしお鉄道の料金のことを考えていましたが、もしこのまま大阪あたりまで行ったとしたら大阪駅の改札口で200円払うのでしょうか?大阪駅では困惑するに違いありません。大阪でなくても、松山、あるいは私が降りる予定の八幡浜駅でも困惑するのでは、という気がしてきました。

 

 あれこれ考えているうちに16:53八幡浜着。ここで泊まると日程がたてやすいので、何の縁もゆかりもないのですが、ここに泊まることに決めていました。結局改札では18きっぷだけを見せて改札を通り抜けてしまいました。ということでくろしお鉄道一駅分はただ乗り、ということになってしまいます。

 

 普通の人なら「もうかった」と思うかも知れませんが、私はこういうことになったのは初めてなので、何か釈然とせず、やはり宇和島駅で一回改札口に行くべきだったかなあ、などと考え込んでしまいました。ちゃんと払う気のある客が結果的にただ乗りになる、というシステムは考え物だと思います。夏に乗った智頭急行もやろうと思えばただ乗りできそうな改札システムでした。

 

 やはり窪川駅でくろしお鉄道の切符を買わせる、という対応が正解だと思います。くろしお鉄道は赤字だろうに・・・と思うと何か申し訳ないような。機会があったら通販で記念切符でも買ってやるか、いつか再訪したときに入場券でも買ってやるか・・・と思ったりしつつ、駅前のビジネスホテルに入りました。