写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

24 「攻撃戦だ」(공격전이다)

 前回、中国の文化大革命前後に一世を風靡した「東方紅」を紹介しました。その後、中華人民共和国文化大革命を終わらせ、鄧小平の時代に個人崇拝と混乱を収束させました。その後曲折を重ね、いまだに問題の多い社会主義体制ではありますが、とりあえず対外開放路線をとり、経済発展を遂げつつあることは周知の通りです。

 

 ところが北朝鮮朝鮮民主主義人民共和国は、どうもこの文化大革命的体制の味を忘れられず、金日成への個人崇拝を維持し、その後は金正日金正恩と、世襲体制を作り上げました。今や「共和国」とは名ばかりで事実上の君主国です。その結果、現在の北朝鮮は、社会主義国家というより、ある種の新興宗教国家であるかのような様相を呈しています。どことは言いませんが、新興宗教団体が国家を作るとこういう国家になるのだろうな、という印象を持っています。

 

 中国の文化大革命と日本戦時期の天皇制国家、新興宗教をミックスしたような個人崇拝国家になってしまっている感がありますが、その結果、文化面でもずいぶん奇妙な現象が現れます。これが共産趣味的興味をそそるわけです。

 

 その一つが、この「攻撃戦だ」という歌。いわゆる「革命歌謡」です。歌詞は他の北朝鮮の革命歌謡と同様、北朝鮮の指導者を賛美し、革命建設を鼓舞する内容なのですが、メロディーがなんだか日本の1970年代あたりのアニメソングのよう。

 

 その結果、歌詞を知らずに曲名と曲だけを聴くと、ロボットアニメのテーマソングか?と勘違いしてしまうような珍曲に仕上がっています。北朝鮮の革命歌謡の中でも特に「味わい深い」ので、紹介してみました。聞いてみてください。

 

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