写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

86  統一教会と保守政界

 安倍氏暗殺事件以来、あれこれと(旧)統一教会と政界との関係についての報道が見られます。

 

 統一教会の場合は、霊感商法などの社会問題を起こしていた宗教である、という問題のほかに、保守系議員がなんで「反共」という大義名分があったとはいえ、日本、あるいは天皇を「サタン」とするような反日」的な宗教と保守系議員が結びついていたのか、という方が不可解ですし、問題のもうひとつの本質なのだろうと思います。

 

 保守系議員と神道の結びつきは当然視されていて、誰も不思議に思いませんし、それに基づいた主張をする議員に賛成反対は別にして、特に違和感は感じないわけです。一時「日本会議」という組織と安倍政権とのかかわりが問題視されましたが、この「日本会議」という組織、意外といろいろな団体が絡んでいるらしいのですが、それでも主流派は神社本庁などの伝統的宗教団体です。ですから、その関係性は意外なものではありません。

 

 一方、統一教会の方は、日本が「サタン」でなくなるようにしたのが文鮮明氏で、そのため日本は「しもべ」として貢献しなければならないのだ、という大義名分で日本から金を吸い取ったのだ、という話を見かけました。その資金が政界への「反共」工作やのちには北朝鮮工作に使われたのではないか、という話も見ました。

 

 そんな教義で日本から金を吸い取っていたのか、と思います。もっともらしい理論があるようですが、結局、少なくとも保守派にとっては反日といってもいい宗教でしょう。なのに保守政界が無頓着に「反共」の大義名分のもと、結びついていたのはあまりに不用意ではなかったでしょうか?

 

 この結びつきをつくったという岸信介という人物は、満州国時代からいろいろな人脈があり、戦後も戦犯容疑者から首相に短期間で駆け上っていく過程で、いろいろな裏人脈があったのでしょう。以前、この人は実は自民党に入る前に社会党に入ろうとしていた、という話も読みましたし、おそらくかつての民社党とは相当のパイプがあったようです。岸氏その人について語ると、話がそれてしまいますが、相当いろいろな方面とつながりがあったようですね。

 

 岸氏は韓国の政財界、当時は反共軍事政権だったわけですが、それとも相当なつながりがあったようです。韓国との間には矢次一夫、というフィクサー的人物をパイプとしていたという話が日韓関係史の本を読むと出てきます。それにしても、いくら反共のためとはいえ、キリスト教系の新興宗教とのつながりを持つ必要まであったのか、相当な違和感があります。

 

 この岸氏と統一教会を結び付けたのがあの笹川良一氏だというのですから、戦後保守政界の闇なのでしょう。では笹川氏と統一教会を結び付けたのは誰か、どういう筋なのか、笹川氏もなにゆえ岸氏に紹介したのか、今度はこちらが気になります。これについての報道はまだ見ていません。50年以上も前の裏人脈なのでしょうから、解明が待たれますが、難しいかもしれませんね。

 

 安倍氏も岸氏以来の保守政界と統一教会の「腐れ縁」なのか、「闇」なのか、その犠牲者なのかもしれません。