写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

21  菜の花の酢味噌和え

 「春は苦み、夏は酢の物、秋は辛み、冬は油」という、料理に関する格言があるようです。秋になぜ辛いものがいいのかはピンときませんが、それ以外はもっともかなあ、と思います。

 

 春先には山菜や季節の葉物野菜が多く出るからでしょう。その苦みに春を感じるわけです。

 

 私は年明けから3月にかけて、しばしば「菜の花」を買います。菜の花のつぼみです。通常価格が390円前後と、決して安い野菜ではありません。ですが特に北海道に住むようになってから、何かの拍子でこれを買うようになり、気に入っています。千葉産や徳島産のものがこちら北海道ではよく出回っているようです。こちらはまだ雪に埋もれている季節ですが、あちらは温暖で、菜の花がつぼみまで育つのでしょうね。

 

 これをゆでて、酢味噌和えにして食べます。これが妙に好きなのです。苦いのですが、苦みに春を感じます。北海道は春が遅いので、こんなものでも食べて春を待っているしかありません。とは言っても冬の方が仕事の関係で精神的には落ち着いているのですけど。やはり「つぼみ」の方がいいのですかね?

 

 4月になると菜の花は野菜売り場から消えます。そのあと、「うど」とか、「タラの芽」などを買いますが、菜の花ほど頻繁には買いません。4月になると北海道もようやく春の兆しを迎えるので。地元産の「行者ニンニク」を買うことがあります。これを今度は酢味噌和えにして食べます。

 

 まもなく4月、普通なら春の訪れに希望に膨らむ季節ですが、菜の花が消えるのと同じ頃に、私は憂鬱になります。希望の持てない人生になってしまいました。

 

 食べ物記事なのに、結局ネガティブな終わり方になってしまいますね。