写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

12  「オバケのQ太郎」を語る

 日々ささくれだったり、落ちこんだりして、正直、仕事やめたい、ひどいときには、死にたいなどと考えてしまいます。もともと情緒不安定の鬱気質なので、自殺実行までには至りませんが、軽度の鬱状態なんだろうなあ、とは思います。こういうことに長い間、苦しんでいます。タイトルとは裏腹に、いきなり暗い話でごめんなさい。
 
 ただ、そんな日々の中で、ときどき、ふと、何かの拍子で子供の頃を思い出させるものに出会うことがあります。今回はyoutubeの「おすすめ」に1985年版のオバケのQ太郎が出てきました。過去にも何度かありましたが、先日も何かの拍子に表示されて、いくつか見てしまいました。
 
 私はアニメ、漫画にはあまり興味のない方です。特に少年漫画やロボットアニメの類は毛嫌いしていた方でした。でも、もう少し対象年齢の低いギャグ漫画は嫌いではありませんでした。そして昔「オバケのQ太郎」が大好きでした。私の世代であれば、「あのねQ太郎はね 頭に毛が三本しかないんだよ」という歌で始まる「新・オバケのQ太郎」の再放送を見た人が多いのではないかと思います。
 
 「新・オバケのQ太郎」のエンディングのスタッフに「南正時」の名がありますが、鉄道写真家の「南正時」氏と同一人物なのでしょうか?
 
 藤子不二雄というと、「ドラえもん」ですが、私は「ドラえもん」よりQちゃんが大好きだったのです。ドラえもんで爆笑することはほとんどありませんが、オバQは大爆笑するシーンが結構多いです。ネットに断片的にですが当時の漫画(もう50年もたっているのですね)が載ってたり、こうしてyoutubeに動画が載っていたりすると、見入ってしまうのです。
 
 オバQはかわいくて、でもまぬけで、でもいい奴で、犬嫌いのところも似ているし、こういうキャラクターが大好きなんですね。そして意地悪なドロンパアメリカから来たオバケ)がQちゃんをいじめるので、アメリカ嫌いになったような気がします。考えてみれば子供の頃、アメリカ嫌いになったのは現実のアメリカのせいではなく、野球が嫌いだったのと、ドロンパのせいだったのだろうと思います。でも今見ると、ドロンパも意外といいところもあります。
 
 「オバQ内閣」とか「国際オバケ連合」とか、政治ごっご的な話や奇想天外な話もありました。「オバQ」は大笑いできて、でも低俗でもなく、昭和の日常生活の中でほのぼのとした笑いが起こって、ずっと長い間忘れていた気持ちを思いだして、すごく癒されました。たまに昔の漫画でも見て、大笑いすることも必要ですね。そして、そのあと、なんだか涙まで出てきました。Qちゃんに救われたのですね。
 
 そして、今の辛い気持ちの自分から、遠い昔に帰りたい、オバQのテレビを見ていた頃の自分の戻りたい、という気がしたのです。
 
 前に「アップダウンクイズに出た話」を書いたと思いますが、藤子不二雄氏は私が小学生の時にでたテレビのクイズ番組のゲストだった人で、話はしませんでしたが実際に会ったことがあります。確かゲストに関連したクイズのなかで、「このオバケの名前は何でしょう?」という問題が出て、その答えがさきほど名を挙げた「ドロンパ」で、これを答えて正解した記憶があります。
 
 藤子氏の名コンビぶりを、友達の少ない私はうらやましく思ったりしたこともありました。そして「F氏」こと藤本氏は天才だな、と思います。以前に、F氏は子供向け漫画の他にいくつかSF漫画も書いていて、その中に、「食欲と性欲が逆転した世界」が書かれている作品があると言うことを新聞記事で読みました。
 
 つまり、その世界では食欲が恥ずかしいことで、性欲は恥ずかしくないこととして描かれているそうです。確かに、食は他の生き物の命を奪う行為で、性は新しい命を育む行為です。言われてみれば、何で性が恥ずかしくて、食は恥ずかしくないのか、とても不思議に思ってしまいます。この話を読んだとき、藤本氏は天才だ、こういう人を天才とよぶのだ、と思いました。こういう発想ができるからこそ、オバQドラえもんなどの名作を世に出すことができたのでしょうね。
 
 昭和の文化で後世古典として語り伝えられるのは、藤子氏や手塚治虫氏、赤塚不二夫氏や石ノ森章太郎氏の漫画ではないかと思ったりします。今の漫画やアニメの方が質は高いのでしょうが、この人たちがいたからこそ、今の日本漫画やアニメがあるのですから。
 
 まだまだ辛い気持ちの日々が続くのかも知れませんが、たまにはオバQでも見て、気晴らしするしかないのかも知れませんね。藤子不二雄先生に感謝の気持ちを込めて、この記事を終わります。

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