写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

49  岸田内閣と総選挙

 自民党総裁選が終わり、岸田文雄氏が勝利、その後総理大臣になりました。正直なところ、自民党総裁選の四人の候補者のうち、岸田氏がいちばん穏健でマシだろう、と思っていたので、ホッとした部分もあります。世襲議員であることはいかがなものか、と思いますが、言っていることはいちばんいいような気がしました。

 

 そして岸田内閣が発足しました。私としては、今のところは好印象です。分配とか寛容とか、好ましい言葉が口から出てきています。保守・リベラルいずれの方向にも突っ走り感がなく、穏健中庸な印象を持っています。そのぶん野党は攻めにくいでしょう。

 

 ところで、ちょうど100代目の総理大臣なんだそうですね。そう考えるとちょうどいい区切りで女性総理大臣が登場してもよかったかな、とも思います。ネットでは高市早苗氏への支持の書き込みが尋常ではなく、薄気味悪さすら感じていたので、高市氏には首相になって欲しくないな、と思っていたし、野田聖子氏は立候補するのがやっとという状態でしたから、当選の見込みはありませんでしたが。

 

 その後すぐに衆議院選挙に突入しました。衆議院選挙があると再度首相指名選挙がありますから、岸田氏再選でも「第二次岸田内閣」となり、101代目となります。形式的には解散ですが、実質的には任期満了に近く、どっちみち100代目の政権は超短期政権でした。

 

 私個人の岸田氏への印象は比較的いいのですが、世論調査では、新内閣のご祝儀相場としては低調なようです。予想されたことですが、選挙の顔としては岸田氏がもっとも地味です。高市氏や河野太郎氏ならもっと支持率は高かったでしょう。それでも岸田氏を選んだのは自民党の見識なのかも知れないし、しがらみなのかも知れません。ちょっと小渕政権発足時に似ているかな、と思います。

  

 岸田氏の場合、高市氏・河野氏に比べるとブームは起こりにくいと思いますが、自民党お得意の疑似政権交代はあります。自民党が政権を失えば岸田政権は本当の超短期政権と言うことになるでしょうが、そうならないと踏んでいるのでしょうね。私も今回自民党が政権を失うとは思えないです。

 

 一方で、今回の自民党総裁選討論を聞いていて、たまたま聞いたのが社会保障の分野に関する討論だったのですが、候補者は真面目に考えているし勉強もしている、そうしてある候補者の提案に「できない」ときちんと言える、外交や国防、文教などの内輪の話し合いではまた違った乱暴な議論をしている気もするのですが、少なくともそういう面では自民党を見直しました。国民民主や立憲民主あたりであればこういう議論に一緒に参加できるようにも思うのですが、どうなのでしょうか?

 

 しかしながら、岸田氏が総裁選のときに言っていたことを実行できるかというと、あまりあてにできないかもしれません。宏池会系の政治家は良識派だけど実行力に乏しいという政治家が多いですね。宮沢政権など、バブル崩壊対策にうってつけの政権だったわけですが、政治改革論議に振り回されて経済対策に本腰を入れることができないまま崩壊してしまいました。

 

 岸田氏も言っていることがトーンダウンしているようです。総裁選の時言っていた金融課税もやっていいと思っていましたが、株が下がると、発言が後退したようですね。一方、防衛政策などでは保守系に配慮しているのだ、とのことです。

 

 岸田内閣の支持率がパッとしない状態では、自民党議席を減らす可能性もありますが、さりとて立憲民主もブームを起こせていません。今報道されている政策はどうもパッとしない感じです。「そこじゃないんだよなあ」という印象です。では、投票率になるのか?低投票率の時は、自民・公明・共産が強いと言いますね。そうなるのでしょうか?注視していきたいです。