安倍氏の話を引きずりますが、私にとってもそれだけ衝撃的な話だったのでしょうね。
私の知人は安倍氏に「幼児性」があると言っていました。もちろん、この知人は安倍批判派です。ですが私は安倍氏に「幼児性」を感じたことはありませんでした。ややムキになったり感情的なところはあるのかな、とは思いましたが、幼児性とは違うような気がします。安倍氏批判派がこういう言葉を使って人格攻撃するのは正直いかがなものか、とは思っていました。
前回も書きましたが、私にはむしろ安倍氏が一種のカリスマ的存在になっていることが不思議で、私にはそういうカリスマ性が感じられませんでした。戦後初めて一度政権を失ったのに復権したこと、そして選挙に勝ち続け最長政権となったこと、その力の源はどこにあったのか、首を傾げていました。
そして一方、批判者の側がこの得体のしれない安倍人気に不気味さや危険性を感じ、かなり刺激的で感情的な批判を行ったのは、理解できないわけではありませんが、特に今となっては、先日書いたように、適切ではなかったのかな、と思います。
新興政党をたちあげた、維新の橋下徹、れいわ新選組の山本太郎、NHK党の立花孝志、あるいは今回の参政党の神谷宗幣といった各氏には、ある種のカリスマ性とその裏腹に得体の知れなさやうさん臭さを感じるのですが、私は安倍氏にはそれを感じることはありませんでした。
ところで、容疑者の言う宗教団体はどうやら(旧)統一教会だったようですね。具体名が出てくる前からたぶん統一教会で間違いないだろうと思っていました。韓国発祥のキリスト教系宗教団体ですが、資金力があり、韓国が反共政権だった時代に「国際勝共連合」という組織を通じて岸信介氏とつながりがあるという説がありました。
かつてのはKCIAなどとともに、かつては韓国のうさん臭さ、あるい「韓国は怖い」「近づきたくない」と思わせる原因のひとつとなっていました。私が大学で韓国語を選択していたとき、数少ない選択者に「原理研究会」の人がいて、不気味に思ったのを覚えています。
「反共」に価値があった時代は自民党と共通の利益があったでしょうが、今現在、韓国系キリスト教系宗教団体であるこの団体と自民党の政治家がつながることでどういうメリットがあるのかよくわかりません。
かつて保守派が「反共」で韓国と結びついていた時代に生まれたつながりでしたが、現在は保守派が「嫌韓」色を強めている時代です。安倍氏は昔からの腐れ縁的な付き合いをしていたのかもしれませんが、むしろ政治家としてのアキレス腱になったとさえ思われ、実際にそれが致命傷になってしまいました。
この組織が日韓関係の裏面でパイプ的役割を果たしていた可能性もあり、この事件が、間接的にせよ、日韓関係にも影響を与えることになるのかもしれません。