写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

14  「大百科シリーズ」と児童書

 小学生の頃、南正時氏の「特急急行大百科」という本があって、この本に当時の特急急行全ての走行区間や本数、表定速度などが載っていました。この本と「特急私鉄大百科」はボロボロになるまで読んでいました。しかも捨てられなくて今でも持っています。ということで、このころ、1970年代後半の列車のことが一番詳しいです。今の列車の方が知らないことが多いでしょう。

 

 当時、西日本に住んでいましたから、この本に載っている上野発の列車には縁がなかったので乗ったことも見たこともありませんでした。同じ頃に石川さゆりの「津軽海峡冬景色」がヒットして、上野発の夜行列車に乗って青森から連絡船に乗り、北海道へ行ってみたいものだ、と思っていました。そう考えると、北海道に住み着くようになった遠因かも知れません。

 

 当時、各社から子供向けに文庫版の分厚い「大百科」シリーズというのが刊行されていて、南氏のはケイブンシャでしたが、他に小学館コロタン文庫」とか、その他いろいろありました。私はもっぱら鉄道ものばかり読んでいましたが、他にも車とか、アニメとか、少女向けのもあったようです。他にも図鑑とか、科学や歴史の漫画シリーズなど、本当に充実していました。

 

 今でも歴史漫画ぐらいはありますが、たまに児童書のコーナーを見ると、鉄道図鑑が自動車と一緒にされていたり、歴史図鑑がなくなっていたりします。当時の、この手の「大百科」とか図鑑ものは、子供向きとはいえ、大人向きの本以上の情報量があったのではないでしょうか。当時は大人向けにこの手の本を作っても売れず、マニアックな人は子供向けにこうした情報てんこ盛りの本を書いたと思われます。

 

 私はこんな本ばかり読んでいたからオタクになったのでしょうが。昔は子供向けのマーケットが広かったので、その道の専門家になる人はまず子供向きの本を書いたのでしょうね。テレビだって、夜7時台は子供向け番組ばかりでした。今はほとんどありません。

 

 今は大人向きには本当に充実した本がいっぱいありますが、その分、子供向きの良書が少ない気がします。文学書などはあるのでしょうが、社会理科系や趣味系のマニアックな本は少子化で少なくなってきたのではないでしょうか?