写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

69  近所の食堂が繁盛しているのに閉店しました…

   近所で時々行っていた食堂が閉店するとのことで、これが最後かと思い、数日前に行ってきました。

 

    最後だから混むかな、と思い、11時の開店直後に行ったのですが、もう行列ができています。しかもどうやら11時前に開店してしまったらしく、店の中は満杯。私は列の7番目でした。予想以上に惜しむ人が多かったようです。

 

 通常、私は行列に並んでまで食事をしません。ですが今回は閉店前に行けるのはこれが最後だろう、と思ってわざわざ行ったので、冬なのに店の外で待つことにしました。幸い晴れていて、日差しもあり、そこまで寒くなかったのは助かりました。1時間は待つかな、と思っていたのですが、先に入った客が出て行くので、40分ほどで入れました。10時半には開店していたのかもしれません。私が入店する段階で後ろにも20人近い列ができていました。

 

 この店、実は私が今のところに引っ越してから開店した店なので、2~3年しか営業していないはずです。ですが以前に別の場所で長い間営業していたらしいのです。小さい店ですが、繁盛していたので、いつも12時前後は避けて入っていました。「食べログ」あたりでも、周辺の店よりも多くのクチコミが書いてあります。

 

 店主は80歳を超えている、と言う話を聞いたことがあります。かなりの高齢だということで、この店、最初から長く営業するつもりはなく、老後の道楽、ではないでしょうが、余生の生きがいみたいなものだったのかもしれません。はじめは夜もやっていたのにいつの間にか昼だけになり、不定休も多くなりましたから、行きたいときに休んでいた、ということも多かったのです。

 

 でも、閉店するときもこうして行列ができるのですから、私のように早期退職したい、とばかり思っている人間と違って、店主冥利に尽きるでしょう。

 

 名物のカツ丼が700円で、安くておいしいので繁盛していたのでしょうが、こういう商売っ気が薄く、半分老後の生きがいで営業しているような店があると、若い人が周辺に店を開いて新規参入しづらい、という話も聞いたことがあります。

 

 近所の食堂は、高齢者か外国人の店が多かったのですが、高齢者の店はこうして閉店し、外国人の店は撤退していきました。ここは都市部なのですが、それでもこうしてだんだん食べるところがなくなっていきます。

 

 この店も給仕をしている比較的若い人がいるのですが、料理の腕がある後継者は得られなかったのでしょう。もったいないけど仕方がないのかなあ、と思いつつ、店をあとにしました。