9月21日は、「中秋の名月」だったそうです。私はそのようなものを愛でる風流な生活を送っておらず、毎日グダグダ過ごしているだけです。
この町に引っ越してきてから、近所の和菓子屋さんがごひいきになり、週に一回のペースで大福を買っています。初めて買ったときはスーパーの出来合いの大福に比べて非常にうまいので、感動したものでした。特に「ごま大福」はすりごまがポロポロ落ちるので非常に食べにくいのですが、これがとてもおいしいのです。甘い物好きなので、この1年半、大福やお団子など、あれこれ買ってきました。
ただ、この和菓子屋さん、和菓子屋というより「餅屋」で、品数は多くありません。商店街の外れにある、古ぼけてこぢんまりと営業している店なので、その佇まいが好ましく、ひいきにしているのですが、大福やお団子が数種類、あとは「桜もち」と「べこもち」(これって北海道独特だそうですね)その他、という程度の品揃え。
どれも美味しいのですが、慣れてくるとこの味が当たり前になってしまいます。口が肥えてきたのでしょうが、スーパーの和菓子では満足できなくなって、贅沢だな、おいしいと言うことが当たり前になるということは、もしかしたらこれは不幸なことなのかも知れない、と思うようになりました。
さて、その品数の少ない和菓子屋さんで、「月見だんご」を売る、という張り紙を通りががりに見かけました。いつもは食べられないものなので、21日祝日営業する、ということでもあり、この日に訪問、紅白と黄色の三色のお団子を一個ずつ購入しました。
紅白は普通のあんこ、黄色はかぼちゃ餡だそうで、これは珍しい。ところが「月見だんご」なのに、買ってすぐ、昼間に食べてしまいました。風情のないことです。
その日は月見もせずにネットを見てさっさと就寝。22日にいくつかのブログで月見の話題が出ていたので反省し、ベランダに出たところ、一日遅れの名月がお空でぽっかり浮かんでいました。パソコンばかり見ていて目の調子が悪い、と嘆いてばかりいないで、たまには夜空でも眺めた方がいいのかも知れません。
少しは風情のある生活を送りたいものですね。