写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

26  韓国の「ハニーバターチップ」

  今の街に来てから、時々札幌にある韓国スーパーに行くことがありました。ここにいろいろな韓国製品があるので、面白がってあれこれ買っていました。

 

  ところが最近、そうした専門店だけでなく、普通のスーパーにも韓国の菓子が売られるようになりました。地元の大型スーパーにも、ハングル表記の袋が日本のお菓子と並んでおかれています。

 

 ちょっと気になって、その中のひとつを買ってみました。「ハニーバターチップ」というポテトチップです。ハングル表記なので韓国製品だとわかりますが、よく見ると韓国の菓子メーカー「HAITAI」(ヘテ)と並んで「カルビー」と書いてあります。裏を見ると韓国のポテトチップスをカルビーが輸入しているようです。「期間限定」とも書いてありました。

 

 韓国では以前からこの「ハニーバター味」がブームで、ということは知っていました。ポテトチップスから始まった味だそうですが、韓国スーパーには「ハニーバターアーモンド」の小袋があり、これを買ったこともあります。この「ハニーバターアーモンド」もこの大型スーパーにありましたが、大袋しかなく、値段が高いので購入は見送りました。

 

 味の面では甘くてコクもあり、確かにおいしいです。私がたまにポテトチップスを買うときはカルビーの「コンソメ味」を買っていましたが、それとは違う味を食べると新鮮です。韓国で流行するのも頷けます。

 

 もちろん品質の面で日本の製品に劣りません。昔は韓国菓子と言えば、訪韓時に珍しがって食べ、やはり日本の方が品質がいいな、と思っていたものでした。1988年に韓国に行って初めて食べたキャラメルは固くて形がひしゃげていました。その後だんだんとまともになったものの、20年ぐらい前はまだ日本のものより品質が悪いな、という印象でした。

 

 それがここ数年、品質の面で日本のものと劣らなくなり、また、日本国内の韓国スーパーや特設コーナーで買えるようになりました。そして日本にはない、変わった味でおいしいぞ、と思うものも出てきました。

 

 そして今や日本の普通のスーパーで日本の菓子とハングルの袋の菓子が並んで売られるようになってしまいました。ここまで来ると、今までは面白がって買っていたものが、日本の菓子のライバルとなり、ちょっとした脅威に感じてしまいます。

 

 値段の面でも、かつてのように韓国製品だから値段が安い、というわけではなく、味や質で勝負しているのがわかります。値段の面では、むしろ円安のせいか、安くはなく、買うのを迷ったあげく見送った「ハニーバターアーモンド」など、買わなかった理由が「おいしいけど値段が高い」というものでした。

 

 昔は外国の菓子と言えば、欧米のおみやげにチョコレートをもらうくらいでした。それがいまや韓国の菓子が幅をきかせるご時世になってしまいました。以前はものづくりで日本がアジアを圧倒していましたが、今やその影は薄く、身近な菓子の世界でも日本の菓子の品質の高さが韓国に追いつかれてしまったのかな、と、韓国びいきのつもりで面白がって買っていた以前とは違い、少し寂しい、こんなところでも日本大丈夫かな、という複雑な感慨を持つようになってしまいました。