写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

48  自民党総裁選

  自民党の総裁選が29日に行われるのですね。結果が出る前にとりあえず思ったことをまとめておこうと思います。自民党の総裁選ですから、党員ではない私には当然投票権もありませんが、事実上総理大臣を決める選挙ですから、関心はあります。まあ、新聞・ネット情報を得て、私の印象論を加えた文章ですが、よろしかったら読んでやってください。

 

 今のところ、マスコミの世論調査と地方票は河野氏、議員票は岸田氏、ネットの推し は高市、というところらしいです。高市氏が急上昇しているという情報がありますね。野田氏は推薦人を集めるのがやっと、というところで、苦しいでしょう。おそらく、4人出た方が展開が複雑になり、自分にとって有利な展開になるのではないか、と睨んだ有力者(おそらく二階氏)が名前を貸してやった、というところでしょう。

 

 どの力が強く働いて新総裁が誕生するのか、という点が見どころのひとつになってきたのかも知れません。

 

 岸田氏は比較的穏健派で、新自由主義からの転換を訴えているようです。私は割合それには共感します。でも地味ですね。政調会長の時に、コロナ禍での困窮世帯に30万円給付しようとして公明党にダメ出しされ、一律10万円給付になったことがありました。私は岸田案の方がよかったように思いますが、腰砕け感が残りました。

 

 自民党役員の任期制限を打ち出し、「岸田は変わった」説もありますが、二階氏との関係が悪化し、二階氏が「岸田潰し」に躍起になっているという説もあります。安定性はあるものの、政局運営が大丈夫かな、自分の政策を思い通りに行うことができるのかな、という不安がありますね。

 

 河野氏はもともとリベラルなのが、保守派の皮を被っているのではないか、と睨んでいます。出馬に当たって天皇や日本語をもちだしていましたね。外交などでは保守強硬派を思わせる言動もありましたが、外相や、あるいは一政治家として戦略的にやっているのではないか、と思っています。必要に応じて戦略的にやっているのであれば、それはそれでいいのではないかと思っていました。

 

 もともとはリベラルと新自由主義を併せ持ったような急進合理主義者なのだろうと思いますが、パワハラ疑惑説もあり、やや不安定感があります。以前は、歯に衣着せぬ率直な物言いが多かったように思いますが、このところは煮え切らない発言が多くなっているようです。政権獲得が視野に入って慎重になっているのでしょうか。

 

 今度の首相はちょうど100代目だそうで、その区切りに女性首相でもいいかな、という気がしますが、自民党総裁選にも2人女性が立候補し、候補が男女半々となりました。保守政党自民党もこうなってきたのか、という感慨があります。

 

 高市安倍氏が推していて、党内保守派の支援で急上昇しているという情報です。「アベノミクス」を受け継いで「サナエノミクス」をやる、といっていますが、放漫財政にならないのかなあ、と思います。一方、この人は本質的には新自由主義者ではないのか、「日本のサッチャー」になりかねないのではないか、という印象もあります。討論などではいちばん評判がいいようですね。テレビのコメンテーター出身だからでしょうか。

 

 ただ、もともと新進党出身なのと、細田派を脱会した経緯があって、細田派が全面的には推しにくい、という事情もあるようです。細田派はこの人に親和性があると思いますが、一枚岩で高市氏を推せないのはそういう事情があるからなのですね。若手議員が安倍氏の攻勢で高市氏になびいている、という情報や、二階氏が「岸田潰し」のために高市氏に票を回すのではないか、という説もあるそうで、いちばんの「台風の目」であることは確かでしょう。

 

 野田氏は二階氏の思惑で推薦人を貸してもらって辛うじて立候補できた、という風で、現時点では総理総裁になれないでしょう。二階氏はいかなる思惑で名前貸しをしたのか、決選投票をにらんで連立方程式を複雑にした方が自分に有利に働く、と思ったのでしょうか。その意図が奈辺にあるかは私のような者にはよくわかりません。野田氏本人は割合リベラルな主張をしているようです。夫が元暴力団員という情報の真偽はどうなのでしょうかね?あと、自民党内では旧来型の郵政や農水関係の支持を期待しているらしい、という記事も見かけました。

 

 今回の総裁選は、安倍氏・麻生氏・菅氏・二階氏というこれまでの政権を支えてきた面々の権力代理戦争の側面もあるようで、高齢者が多いのにまだ権力欲があるのかと思います。

 

 ところで、Yahoo!ニュースのコメント欄を見ると、高市推しのコメントばかりで、驚いています。ネット上の高市支持のコメントだけが熱烈支持、といった具合で、どうなっているのだろう、と思います。こういうのを見ると、高市氏本人よりも、これを推している層に対して気味の悪さを感じてしまいます。どういう人たちが書いているのかなあ、と思います。この手のコメントを見るたび、私はかえって高市氏に総理総裁になって欲しくないな、と思ってしまうのです。

 

 コメント欄の状況は、私の見る限り、高市推しが圧倒的で、河野氏にはボロクソ、野田氏にも批判が多く、岸田氏は無視されています。岸田氏は突っ込みどころがないのでしょうかね。一般的には河野氏が一番人気、ということになっているのですが、この温度差がどこから来るのか、これが知りたいのです。どういう筋の人がコメントを書いているのでしょうか?

 

 今回の総裁選挙は、多くの派閥が自主投票や複数候補の支援ということのようですが、各陣営は今も必死で多数派工作をしているのでしょうね。その結果は現時点では私が知るよしもありませんが、半分期待、半分不安を持って結果を眺めたいと思っています。