写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

12  1983年の韓国「KBS歌謡大賞」

  またyoutubeを見ての感想記事です。今回は1983年の韓国KBS放送の「歌謡大賞」をみました。どうもKBS放送、過去の貴重な番組をyoutubeに大放出しているようです。日本のテレビ局も見習ってください。

 

 1980年代、12月といえば、日本でも歌謡界の「賞レース」の真っ盛りでした。今はほとんどなくなりましたね。ということで、40年近く前の韓国の賞番組を見て面白がっているわけです。

 

 1983年といえば、日本では「シブがき隊」が最優秀新人賞だったと思います。そして韓国がらみでは「釜山港へ帰れ」が韓国歌謡として初めて「ザ・ベストテン」に入った年でした。

 

 その83年の韓国歌謡大賞、私の韓国語力では一部しかわからないのですが、男女別に新人賞、歌手賞、そしてロックグループ賞、グループ歌手賞(というか、直訳では「重唱団賞」のようです)などがあったようです。

 

 生放送で、FMラジオではステレオで同時中継しているという告知があります。

 

 まず、女性新人歌手賞候補ですが、正直、あまり知っている人がいません。「ああ大韓民国」のチョン・スラぐらいです。まあ、日本の賞レースでも新人賞は知らない歌手が多かったものです。

 

 続いて男性新人歌手賞候補、「私の人生、私のもの」という歌は知っていましたが、歌手が歌っているのを見たのは初めてです。次に出てきたのが、あの「独島は我が土地」(日韓係争地の「竹島=独島」のことを歌った歌です)という歌。この年のヒット曲だったのですね。そのほかはほとんど知りませんが、民俗風の仮面をつけてユーモラスな民謡系の歌を歌っている歌手がいるのが興味深いです。

 

 で、女性新人歌手賞が「ああ大韓民国のチョン・スラ、男性新人歌手賞が「独島は我が土地」のチョン・グァンテ。さすが全斗煥政権時代、おいおい、といってしまう選定です。この年の日本の新人賞「シブがき隊」と比較すると国情の違いがもろにわかってしまいます。

 

 続いて「ロックグループ賞」部門。この部門ではバンドが多いせいか、ステージ後方で候補が歌を歌い、ステージ中央では、ダンサーが踊っているというよくわからない演出。「ロックグループ賞」は「ソンゴルメ」というグループでした。当時かなり人気があったグループなので、なるほど、と思いますが、前年受賞者が発表するので、昨年度受賞者のソンゴルメが自分で自分の名前を発表するというシュールな発表シーンになりました。

 

 そういえば「ソンゴルメ」は、83年の「東京音楽祭」に出場したはずです。当時韓国のポップス系歌手を見る機会がほとんどなかったのでよく覚えています。

 

 次の「グループ歌手賞」候補はほとんど知らない歌手でした。「국보자매」は「国宝姉妹」でしょうか?妙な名前です。他にも「○姉妹」という名前が目立ちます。この部門の歌手はどうも現在の目から見るとユーモラスに見えてしまいます。「수수께끼」という知らない歌が受賞していましたが「なぞなぞ」という意味のようですね。

 

 そして、作詞作曲編曲賞などがあって、特別賞がパティ・キム、功労賞が「涙に濡れた豆満江」のキム・ジョングとかつての大物が歌います。

 

 今度は、男性歌手賞・女性歌手賞候補が交互に出演します。

 

 ソル・ウンド(この人、こんな髪型だったのかと思います)、キム・ヨンジャ(この人は韓国でも人気があったのですね)、ユン・スイル(私にとってはおなじみの「アパート」で受賞)、ナムグン・オクプン(韓国で珍しい「南宮」という2文字の姓なのでこの人もよく覚えています)、イ・ドンギ(この人は知りませんでした。当時ラジオでしか知る機会がなかったので「李」とか「金」姓の歌手は区別がつかなかったのです。でも歌は聞いたことがありました。)、パンミ(この人もいたなあ、という感じで名前は覚えています)。

 

 続いてイ・ヨン(このとき歌った歌は知りませんが「ソウル」というヒット曲があったように思います)、ユン・シネ(この人は「DJ」「熱愛」という曲で覚えています。このとき歌った「勉強しましょう」という歌も知っています)、チョン・ヨンノク(この人、チョーヨンピルのせいでいつもトップテンの2位か3位だったような印象があります)、イ・ウナ(知っていましたが、「李」姓の歌手は印象が薄いのです)、チョー・ヨンピル(当時圧倒的人気でした。客席の歓声がひときわ高いですね)、ヒョンスク(あの「原宿キッス」に似ている「愛はこの次に」で登場)、チェ・ベクホ(この人だけ歌手そのものも歌も知りませんでした)、ヘウニ(この人の「独白」という歌が好きでした。このときの「小さい淑女」という歌もよく覚えています)という、知っている人にとっては豪華な面々。さすが年末の歌謡大賞だけあります。

 

 そして放送PD(プロデューサー?)選定歌手賞がユン・シネ、女性歌手賞もユン・シネ、男性歌手賞はチョー・ヨンピル、という結果。当時誰が獲ったのか知りませんでしたので、なかなか興味深ったです。これまた前年度受賞歌手が発表するのですが、男女ともにユン・シネ、チョー・ヨンピルの2年連続受賞だったので、自分で自分の名前を発表するという結果になりました。チョーヨンピルは当時圧倒的人気だったので「当然」という感じですね。貫禄の受賞、といったところです。

 

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