写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

72  札幌の「笹寿し」

  金沢に「芝寿し」という持ち帰り寿司チェーン店があります。もともと、電気屋だったそうなのですが、東芝の炊飯器の実演販売をしていて、炊き上がったご飯の有効利用として「笹寿し」を作り始め、それが名物となって寿司チェーン店になったのだ、という話を読んだことがあります。ですから代表的な商品は「笹寿し」なのに店名は東芝の「芝」から取った「芝寿し」なんだそうです。

 

   子供の頃は、金沢に行って、この「笹寿し」を食べるのが楽しみでした。笹の葉に鮭と鯛の押し寿司が包んであるお寿司です。

 

   ところが北海道に住むようになったあと、なぜか札幌駅の地下街でこの「笹寿し」を売っていることに気づきました。「芝寿し」のフランチャイズ店が札幌にあるらしかったのです。ということで、よく利用していました。

 

 しかし、数年前だと思いますが、札幌でのフランチャイズ契約が終了したのか、「芝寿し」は札幌から撤退しました。それでも、「笹隠本舗」とかいう名称に変えて、依然として「笹寿し」を売っていました。本来の「笹寿し」は、笹の葉で正方形の押し寿司に十字形にくるんでいるのですが、店名が変わった後は、手抜きになって笹の葉は一枚になってしまいました。

 

 その「笹隠本舗」もいつの間にかなくなり、札幌で笹寿しを食べられなくなったのか、と思っていたのですが、札幌駅の「エスタ」の地下街の店で細々と売っているのを先日見つけ、久しぶりに購入しました。鮭と鯛の他、海老の押し寿司もありました。笹の葉が1枚しか使われておらず、それは手抜きのように思いましたが、それでも食べられるだけ有り難いです。少し高いですが、夜に行ったので割引になっており、持ち帰って堪能しました。

 

 ただ、この「エスタ」自体、北海道新幹線工事に伴う建て替えで来年には閉鎖になるという話です。以前から書いているようにそうまでして北海道新幹線をつくることに疑問を感じているのですが、なくなるものは仕方ありません。「エスタ」の食品店街はこの「笹寿し」の店の他にもよく利用するのでなくなるとすれば大変困るのですが、やむを得ません。

 

 「笹寿し」も場所を変えて生き残るのか、当分お預けになるのか、気がかりなところです。

 

 ただ、札幌駅の駅弁に「ひぐまの笹寿し」という商品があります。これも1000円を超えるので高価ですが、「芝寿し」から何らかのノウハウを受けたのか、別物かよくわからないものの、この商品が売り続けられれば、代替品にはなるのかな、と思っています。