写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

03 2日目ソウル午後 戦争記念館と韓医院(2015年1月9日)

 板門店ツアーのバスから戦争記念館というところで降りました。朝鮮戦争に関心が生じた人はここを見てください、ということのようです。私は次の場所に行くのに都合が良さそうなので降りただけだったのですが、着いたのが15:00ごろで、次の予約が16:30だったので、余裕があれば記念館を見に行こうと思いました。ですが到着すると、かなり大きな建物で、びっくり。余裕時間が30分程度だったのでどうしようかと思いましたが、駆け足でとりあえず一回りすることにしました。

 

 きっぷを買うところがないので、そのまま展示室に入ります。おかしいな、と思ったら無料でした。朝鮮戦争の展示が中心です。基本的に展示の説明が韓国語なので、あまりわかりません。ゆっくり解読すればどうにかなるのでしょうが、駆け足で見ているので丁寧には見られません。

 

 子供連れが多いです。たまに韓国の昔の新聞が展示してあって、これは漢字が多く使用されているので何となくわかります。韓国語は漢字表記をすれば勉強しなくても今の私の読解力ぐらいはすぐにつくのですが、ハングル専用政策を採っているので、文章が全てひらがなで書いてあるようなもんです。国の発展のためには漢字を勉強するヒマはない、ということだったのでしょうが、今となっては日本人や中国人とコミュニケーションを取るとききわめて不便です。

 

 朝鮮戦争の他にも、韓国の昔の戦争や武器の展示などもありました。豊臣秀吉朝鮮出兵の時の朝鮮側が使ったという「亀甲船」の大型模型もありました。屋外には飛行機などの展示もありましたが、時間がなく、そこまでは回れませんでした。

 

 心残りながら16:00ごろに記念館を後にし、地下鉄4号線三角地駅へ。ここから2駅ほどで二村駅に着きます。ここにある「椿漢方クリニック」という韓医院に16:30に予約を入れていたのです。

 

 韓医院についてですが、韓国では「韓(漢)方医」という針灸等の漢方治療と漢方薬の処方ができる資格があり、あちこちに韓医院があります。予約していたところは日本留学経験があり、日本語で診察できるということがホームページに書いてあったので、そこにしました。高級マンションの一階にあって、新しくて非常にきれい。ただ、客(患者?)はいません。あまり、はやってはいない模様。入ると、日本人か韓国人かわからない人が受付でした。いろいろ話をします。午前中どこに行ったのかと聞かれたので、板門店に行ったというと、驚かれました。

 

 最初に機械で、体質チェック。5分ぐらいかけて脈とか血圧とか他のことも測るようです。血圧が低いと言われました。診察を受けます。院長はホームページで写真を見ていたのですが、年が同じくらいで、温厚そうな印象でした。行ってもその印象は変わりませんでした。案内に「韓医学博士」と書いてあります。そういう学位があるのでしょうね。もう一度血圧を測ると今度は普通とのこと。ただ、脈が遅いとのことでした。マラソン選手でもないのにこういう脈の遅さはやはりおかしいそうです。いつも検診のとき言われるのですが。

 

 それで肩や腰が痛い、精神的にも鬱になりやすく不安定だというと、「気」が弱くて全身に十分行き渡っていないからだ、といわれました。治療室に移って、まずを打たれます。手や足の先にも打たれました。体質改善に効くそうです。日本のマッサージ屋だと、患部にしか打たないのですが。

 

 それから肩胛骨がいつも痛くなると言うと、そこにはカッピングをするとのこと。いわゆる「吸い玉」のことのようで、真空のガラスカップのようなような玉を体に貼り付けて悪い血を集める治療らしいのですが、韓国の場合は、ただ吸い玉を貼り付けるだけでなくて、集まった悪い血を出血させるそうです。背中だったので見えなかったのですが、それをやられたようでした。鍼灸同様、全然痛くなかったのですが。日本でもありますか、と聞くと、日本の鍼灸治療では出血させる治療は認められていないのでできないそうです。そういわれると、韓国まで来た甲斐があったな、と思います。

 

 あと、腹にも鍼を刺します。それから、腹部にお茶碗みたいなモノを当ててお灸。日本ではどうしても鍼灸は整形外科の補助的治療という感じなのですが、本来はもっといろんな病気に使えるのでしょうね。

 

 それが終わると、韓方茶試飲。私の体質に合わせて院長が処方したお茶だそうです。有り難くいただいているうち、せっかくだから買って帰ろうか、と思いました。本当は漢方の煎じ薬が欲しかったのですが、保険がきかないし、もともと高価なのでしょう。案内に30万ウォンから40万ウォン(3~4万円ぐらい)と書いてあったのでこれはあきらめていました。でも、お茶なら9万ウォンで出せる、といわれたので、ちょっと高いけどオーダーメイドだし、日本で秋頃、自分で適当に漢方薬買って全然効かなかったので、専門家が処方したものの方がいいかな、と思って買いました。

 

 処方したモノをパック詰めするので30分ほどかかる、とのことで、待って買って、診察料10万ウォンと合わせて19万ウォンでした。よく考えると、お茶と煎じ薬のちがいって何なのでしょうね?わからなくなりました。

 

 他の客は韓国人おばさん1人と、日本人の小学生男子ひとり。駐在員の子供なのでしょうが、何でこんなところに通っているのか不思議。

 

 18:30ごろ出て行きましたが、院長以下スタッフ総出で見送ってもらいました。院長もいい人そうでしたし、お金があったら、また行く機会があってもいいかな、と思いました。お茶は3日坊主で終わるかな、と思いましたが、その後、半年ほどで飲みきりました。意外に続きました。

 

 夕食です。韓国料理の「カルビタン」がどうしても食べたかったのですが、近くにあんまりいい店がありません。竜山駅方面向かって、夜のマンションが続く街をかなり歩いて、ようやく一軒新しそうで適度に混んでいる、入りやすそうな韓国料理店が見つかりました。そこでカルビタンを食べます。1万ウォンぐらいだったような。味は非常によく、ようやくカルビタンにありつけて大満足。

 

 このカルビタン、骨付き牛肉のスープとでもいうべきものですが、なぜか日本でほとんどお目にかかることがなく、日本でももっとメジャーになって欲しい韓国料理の筆頭なのです。ただ量が多くておなかいっぱい。韓国料理はキムチなど何種類かの付け合わせも出てそれを全部食べなくてもいいのですが、おいしいのと、せっかく来たのだからこの際食べなければ、というのと、残し食いが嫌いな日本人的性癖のため、全部食べてしまいました。

 

 これから先のところでも思ったのですが、今回の食事はほとんど外れがなく、料理の質も店の清潔さも上がった代わりに値段も日本並みかそれ以上になったなあ、という印象でした。かなり歩いたので韓医院から数キロ離れた国鉄竜山駅から地下鉄1号線に乗り入れる電車に乗り、鍾閣駅。そこから屋台街を通って仁寺洞のホテルへ。この日は疲れてさっさと寝たはずです。