先日、職場で、ある人が、書類に2月11日を「建国記念日」と記載していました。「建国記念の日」であることを指摘しておきましたが、こういう些末的なことを指摘するのは嫌がられがちな行為ですね。でもやってしまいます。
ネットを検索すればなぜ「建国記念日」ではなく、「建国記念の日」なのかすぐわかりますが、確認しておきましょう。
国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)
第1条
自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。
第2条「国民の祝日」を次のように定める。
建国記念の日 政令で定める日 建国をしのび、国を愛する心を養う。
(ここまで内閣府のホームページから引用)
様々な祝日があるなかで、この日だけ「政令で定める日」なのですね。実際は2月11日です。この日は神武天皇の即位日を太陽暦に換算した、旧「紀元節」です。1889年の大日本帝国憲法発布はこの日に行われたのでした。
戦後、1966年に「建国記念の日」として復活したのですが、当時の社会党などが抵抗して「の」が入り、この日は「日本が建国された日」ではなく、「日本が建国されたことを祝う日」という解釈ができるようにしたのでしょう。日付も国会で作る法律では定めることができず、内閣の制定する政令で定めることになった、ということでしょうね。
もう50年以上たって忘れ去られていますが、「の」が入っている意味を知っておきたいものです。
この件に限りませんが、世の中にはときどき何か不自然、不合理なものが存在していることがあります。だいたいそういうものは何らかの経緯があってそうなっているのです。そういうものを不自然・不合理と切って捨てるのではなく、なぜそうなっているのか、経緯を探ったうえで、今でも必要なのかどうか、検討できればいいですね。