写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

09  役に立たないことが出来る私

  私はこうしてブログをやっていますが、基本的には「IT弱者」です。まあコンピューターに関する能力を高めるために努力してこなかった、ということでしょうが、その代わり妙なことが出来ます。

 

 ひとつは和文タイプが使える」ということです。私は大学までパソコンもワープロも所有しておらず、また当時既に少しずつ大学で「情報処理」の授業が始まっていたようでしたが、選択しませんでした。大学のゼミのレジュメも手書きで書いていきましたが、当時は何も言われませんでした。

 

 ところが就職してみると、前の職場でも今の職場でも既にコンピューターが導入され、また、当時はワープロ専用機を使っている人が多い時代でした。私はワープロ専用機を使ったことがなく、困っていたのですが、今の職に転職してすぐ、定年後、非常勤で勤めている方に「これなら教えてあげられるよ」といわれて「和文タイプ」の使い方を教わってしまったのでした。

 

 ということで、しばらくは職場で「ガッチャンガッチャン」と、一文字ずつ和文タイプを打っていたのでした。訂正するときは白テープを打つのです。すると消えます。

 

 当時すでにこの和文タイプはほとんど使われておらず、私の専有物のようになってしまいました。ところがあるとき、年長の上司が「ガッチャンガッチャン」やっているのを年長の職員が使っているのだと勘違いしてタイプのある部屋に「懐かしいねえ」といいながら入ってきて、まだ20代だった私が使っているのを見てギョッとされたことがあります。

 

 そのころにやはり職場の方から一太郎の手ほどきを受け、ワープロ専用機を経ずにこれを使うようになりました。ですが「word」が幅をきかすようになり、「一太郎」が次第に肩身が狭くなました。「国産品愛用」などとうそぶいていたのですが、若い人が多かった前の職場では肩身の狭い思いでした。今の職場は年長者が多いので、その面では肩身の狭い思いをしなくて済むのですが、しかしIT能力は依然として低く、やはり肩身が狭い思いですね。

 

 また、子供の頃にそろばんを習っていたので、簡単な足し算ならそろばんの方が便利です。私は今でもときどきそろばんを使うことがあって、珍しがられたり、変に思われたりすることがあります。2ケタぐらいのたし算は暗算では出来ないし、さりとて電卓でやるよりは便利だと思うのですが、やはり時代錯誤ですかね。

 

 パソコンに関していえば、私の数少ない自慢は「ハングル入力が出来る」ということです。韓国語をやっている人なら誰でも出来るでしょうが、職場で韓国語をやっているという人は知りません。韓国語どころか、英語すら仕事で必要になったことはほとんどない職種です。韓国語そのものがペラペラであればそれはそれで自慢できるでしょうが、残念ながら能力不足・努力不足でそうではありません。カタコトでとどまっています。

 

 ただ一度だけ、どういう状況だったか忘れましたが、これが職場で役に立ったことがあります。たしか言語設定を変にしてしまった職員がいて、それを直してあげた、というだけですが、普段パソコンについては聞いてばかり、「わからない」とぼやいてばかりの私が他人のパソコンを直してあげた唯一の例ですから、よく覚えています。

 

 アナクロな役立たず人間ですね。