写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

06  タイに空港連絡鉄道ができたそうですが…

 youtubeを見ると、タイ・バンコクの新しい駅ができて、そことドンムアン空港を結ぶ新しい高架鉄道が完成したそうで、いくつかの動画が上がっています。そしてもともとの中央駅だったファランポーン駅は新しい駅に取って代わられるのだとか。

 

 タイの人々からすれば、近代的な鉄道ができて、近代的な電車が走ることは喜ばしいことですが、私はちょっと複雑な気分です。昨年、タイに行ったときのファランポーン駅の佇まい、昔の上野駅のようで、それに異国感が加わり、なんともエキゾチックで好ましい風情を醸し出していました。

 

 また、ドンムアン空港からファランポーン駅に向かう鉄道のドンムアン駅も、近代的な空港の建物やホテル、建設中の高架鉄道に囲まれているなか、そこだけが旧来のタイの風情を醸し出していました。

 

 ディーゼルカーは自動ドアでしたが、客車は開けっぱなしの手動ドアで、ちあきなおみ喝采で有名な「あれは3年前 止めるあなた駅に残し 動き始めた汽車に ひとり飛び乗った」という情景が今でもできそうな感じでした。

 

 あの歌が1972年、「あれは3年前」ですから1969年、まだ日本でも旧型客車の急行が走っていた時代でしたが、タイは1970~80年代の日本のようでした。

 

 韓国初訪問は1988年で、何度も書いていることですが、1960年代の日本にタイムスリップした感じがありました。今韓国に行ってもそれは感じません。台湾は2019年が初訪問でしたが、こちらも近代化が完了した様子で、南国の開放的な風情にレトロ感を催させる部分がないではありませんでしたが、基本的にはさほどのタイムスリップ感はありませんでした。

 

 タイにはタイムスリップ感を催させる部分が結構あり、気に入ったのですが、この国もだんだんと近代化していき、懐かしさを感じさせるような風景は少なくなっていくのかもしれませんね。だんだんどこに行っても味気なくなるのかも知れません。

 

 長距離列車はまだ客車列車が多いようなので、すぐになくなるわけはないでしょうし、タイの発展を止めることはできないでしょうが、新しいものより古いものが好きな私には、近代化で失われていくものを惜しむ気持ちが強くなっています。