11月8日づけの朝日新聞「声」欄に「拝啓JRさま 食堂車をもう一度」という投書が載っていました。
この投書にもありましたが、今、日本では特殊な列車を除いて、食堂車というものがありません。
私な食堂車経験を思い出すと、よく覚えていないくらいの小さな頃に特急「雷鳥」の食堂車に連れて行ってもらったことがあるはずです。子供の頃に「雷鳥」は嫌になるくらい乗りましたが、食堂車に連れて行ってもらったのは一回きりだと思います。
ひとりで旅行するようになってからは、もう30年ぐらい前でしょうか、新幹線の二階建て車両「100系」の食堂車で食事をしてみたくて、確かスパゲッティミートソースを食べました。新幹線も子供の頃から嫌になるくらい乗りましたが、たぶん食堂車利用はこの一回きりだと思います。
その後は、「北斗星」や「トワイライトエクスプレス」に乗ると、できるだけ食堂車を利用するようにしていましたが、本格的なディナーを食べることはなく、パブタイムにカレーを食べたり、ワインを飲んだり、朝食を食べたりした程度。
海外では、韓国の「セマウル号」とシベリア鉄道の食堂車を利用しましたが、前者はなくなってしまったようですね。ただ、シベリア鉄道の食堂車は盛況で、食堂車健在なり、といったところでした。
投書では、「海外では旅の一環として、列車での食事を楽しむ文化が定着している」とのことでしたが、韓国や台湾でも食堂車はなくなってしまったようですし。ヨーロッパあたりのことでしょうか?
現実問題として、狭い食堂車で揺れるなか、調理したりサービスしたりするのはかなりの重労働に思えますし、これを好き好んでやる人はあまりいないでしょう。人員の確保が難しいのではないかと思います。それに、日本には「駅弁」があり、これが供食の役割を果たしていますが、今はこの「駅弁」や車内販売すら衰退気味です。
列車に乗って、途中で退屈だから食堂車に行こうか、という気になるのは4時間以上の乗車時間ではないでしょうか?今は4時間以上走る長距離列車はそう多くないし、それ以上になると航空機利用が多くなります。それに自由席利用では、混んでいるときは食堂車に行っている間に席を取られそうですし、さりとてずっと食堂車に居座る訳にいきません。昔、混雑時の自由席利用客で乗車から下車まで食堂車に居座る客がいたそうで、そうなると食堂車の回転が悪くなり、採算に悪影響を及ぼしたそうです。一方で閑散期には乗客自体が少ないわけで、食堂車連結列車はやはり全席指定列車でないと営業が困難なのではないでしょうか?
一般の特急列車から食堂車が消えたのがもう30年以上前、新幹線や寝台列車からも消えて久しくなります。というか、寝台列車ですら虫の息です。このような記事を書くくらいですから、私も復活して欲しいのですが、今の日本で、現実問題として一般の列車に大衆的な食堂車が連結されるようになるとはどう考えても困難だと思います。
ヨーロッパではどうなっているのでしょうかね?ヨーロッパの鉄道事情をご存じの方は教えてください。今でも食堂車連結の列車が多いのか?ずっと行っていないので事情がわかりません。もしまだ連結されているのであれば、いつか利用してみたいものです。